「人は怒りをねつ造する」て知っていますか?
つまり、「人は感情をねつ造する」と言うのです。
今感じている感情が本物の気持ちでないとしたら、本当の気持ちは何でしょう?
そして、何のために本当の気持ちを隠すのでしょうか?
今回は「感情」についてみていきたいと思います。
自分、家族や友達、恋人など他者の本心を理解することに役立つはずです。
感情には目的がある!感情は手段だった
心理学者アドラーによると、人間のすべての行動や感情にはすべて目的があるとされています。
例え本人は無自覚でも目的があるのだというのです。これを「目的論」といいます。
逆に、過去にこんなトラウマや出来事(原因)があるからこんな行動をする、こんな状況だからこうするんだというのが「原因論」です。
それをアドラーは否定し、「目的」があるから問題・原因を人はつくるのだと言ったのです。
目的論:目的 ⇒ 感情
原因論:原因 ⇒ 感情や行動
というわけです。
例えば、
原因論: お腹が痛い だから 会社を休む
目的論: 会社を休む ために お腹が痛くなる
この例でいと、「お腹が痛い」というのは、「会社を休む」という目的のための手段になります。
そして、アドラーは、人は目的・行動のために感情をねつ造するというのです。
人は目的のために感情を知らない間にコントロールしていたんですね。
これは驚きですね。
アドラーがこの目的論を提唱するまでは原因論が一般的だったので、当時はかなり衝撃的だったことでしょう。
感情を観察することで、自分や他人の意図や本心を知ることができたらいいですよね。
恋愛・親子関係・友人関係、自分との関係、あらゆる人間関係で役に立つとは思いませんか?
それでは、それぞれの感情の目的や役割を見ていきたいと思います。
基本的な感情の種類
みなさんは基本的な感情がどのくらいあるかご存知でしょうか?
その基本感情の数は4つとも、5つとも、6つとも8つとも提唱されており、提唱した人によって人間の基本感情の数が違います。
そして、細かく分類すれば48種類、最近では2,185種類もあるとの発表もあります。
ここでは、簡単に基本的な感情を挙げたいと思います。
8つの基本感情
●喜び
●信頼
●恐れ
●驚き
●悲しみ
●嫌悪
●怒り
●期待
6つの基本感情
●喜び
●嫌悪
●驚き
●悲しみ
●怒り
●恐れ
5つの基本感情
●楽しみ
●嫌気
●悲しみ
●恐れ
●怒り
4つの基本感情
●怒り
●悲しみ
●不安
●喜び
4つの基本的感情の目的と意図は?
●悲しみ・哀しみ
⇒他の人からの同情や共感してほしい。認めてほしい。
●怒り
⇒相手を支配しコントロールするため。
●喜び
⇒活動能力を高めるため。
●不安
⇒嫌な物事や苦しみから逃げるため。
●恐怖
⇒危険から逃げる、立ち向かう、回避するため。自分を守るという目的。
など
こういった感情の目的のベースになっているのは、「生きる」という基本的な本能がベースです。
それに三大欲求の「食欲」「睡眠欲」「性欲」だったり、マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」「自己超越」などの人間の特性を理解して頂くとわかりやすいかもしれません。
では、その欲求5段階について説明したいと思います。
マズローの欲求5段階とは?
以下の図をみると分かりやすいですね。
ピラミッドの1番下に「生理的欲求」があり、1番上に「自己実現欲求」があります。
下の層の欲求が満たされると、上の階層の欲求を欲するとされています。
つまり、生理的欲求 ⇒ 安全欲求 ⇒ 所属と愛の欲求(=社会的欲求) ⇒ 承認欲求(=尊厳欲求)
⇒自己実現欲求 の順に欲するというわけです。
それでは低層から順にみていきましょう。
【第一階層】生理的欲求
食欲や睡眠欲、性欲(=排泄欲)など。
【第二階層】安全欲求
安全安心な暮らしがしたい。
【第三階層】所属と愛の欲求(=社会的欲求)
他者と関わりたい。集団に属したい。
【第四階層】承認欲求(=尊厳欲求)
1.他者からの認められたい。他者から評価を得たい。
2.自分を認めたい。自信をつけたい。
承認欲求には自分で自分を認めるということと、他人から認められたいのふたつがあります。
【第五階層】自己実現欲求
自分らしくありたい。あるべき自分になりたい。自分にしかない能力を引き上げたい、自分の限界に挑戦してみたい。
【第六階層】自己超越
他者からの見返りを求めず、純粋に目標を追い求めるという領域。
第6の階層として「自己超越」があると言われています。
しかし、一般的には第5段階と言われているのは、この階層にいたるのはごくわずかの人しかいないとされているからです。
こういった欲求をもとにして考えてみてください。
浮気をされて怒るを例に考えてみる
アドラー心理学では、怒りというのは第二次感情とされています。
※詳細は別記事を参照してください。
つまり、怒りは本当の感情ではありません。
本当の気持ちというのは「寂しい」とか「悲しい」という感情です。
さらになぜ「悲しい」のかというと、「自分が大切にされなかった」からです。
つまり、「大切にしてもらえなくて傷ついた」ということです。
これを欲求第5段階でいうと「所属と愛の欲求」や「承認欲求」です。
この「所属と愛の欲求」や「承認欲求」という欲求を満たすために「怒る」という手段を使うのです。
「怒る」ことの目的は、相手をコントロール するということでしたね。
浮気した彼/彼女に、「自分の気持ちを分かってほしい」「自分の元に戻ってきてほしい」といった、「相手が自分の期待している行動をする」という可能性を期待している場合に、「怒る」ことで相手をコントロールしようとしているのです。
「人は怒りをねつ造する」というのは、このようなことです。
まとめると、
浮気された ⇒ 悲しい・傷ついた ⇒ 「自分の気持ちを分かってほしい」「自分の元に戻ってきてほしい」 ⇒ 怒る
といった流れになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
感情には目的がある。感情は手段であるということでした。
私は納得できる部分がありましたのですが、みなさんはなるほどと思いましたか?
アドラーは「人間の悩みはすべての対人関係の悩みである」といいます。
感情の隠れた目的を冷静に分析し、理解できれば段々とコントロールできるようになってくると思います。
これが今後の対人関係に役立てればうれしく思います。

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